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【研究発表】AI面接は「緊張しにくい」だけでは選ばれない 日本心理学会第90回大会で、応募者反応と面接選好に関する研究を発表します

2026/09/02
目次

組織心理研究所は、2026年9月4日から6日に開催される日本心理学会第90回大会において、対人面接と対話型AI面接への応募者反応を比較した研究成果を発表します。

発表題目は「採用選考における対人面接と対話型AI面接の応募者反応(1)――応募者反応比較とAI面接選好の規定要因」です。

本研究では、大学生・大学院生392名を対象に、Web上で人事担当者とリアルタイムに会話する対人面接と、AIアバターとリアルタイムに会話し、発話内容をもとに評価される対話型AI面接を比較しました。

その結果、対話型AI面接は対人面接より面接不安が低く評価されました。一方、AI面接を希望するかどうかには、相対的な面接不安の低さだけでなく、進め方を公平だと感じられることや、面接を実施する企業への魅力が保たれていることも関連していました。

AIを活用した採用選考は、選考業務の効率化や評価の標準化につながる可能性がある一方、応募者が手続きをどのように受け止めるかという課題を伴います。採用手続きへの公正感や納得感は、その選考方法への評価だけでなく、企業への魅力や応募継続、内定受諾にも関わります。

先行研究では、AIを用いた面接やアルゴリズム評価は、人による選考と比べて、能力を十分に示せる感覚や双方向コミュニケーション、公正感、組織魅力が低く評価される場合があることが報告されています。他方、人間の面接官から直接評価されることによる緊張は、AI面接では相対的に弱まる可能性があります。

そこで本研究では、AI面接への反応を、面接不安、評価への納得感、進め方の公平感、組織魅力、不気味さ、不透明性に分けて検討しました。さらに、応募者の個人特性による反応の違いと、最終的に希望する面接形式についても分析しました。

調査の概要

大学生・大学院生392名を対象に、二つの面接場面を想定したオンライン調査を実施しました。

一つは、Web上で人事担当者とリアルタイムに会話する対人面接です。もう一つは、Web上でAIアバターとリアルタイムに会話し、発話内容をもとに評価されるAI面接です。AI面接では表情解析を行わないと説明しました。

参加者には、両方の面接場面を提示し、それぞれについて面接不安、評価への納得感、進め方の公平感、組織魅力、不気味さ、不透明性を尋ねました。さらに、個人特性と、希望する面接形式について回答を求めました。

対話型AI面接には「緊張しにくさ」という利点がみられた

AI面接は対人面接に比べて、面接不安が低く評価されました。

一方、評価への納得感、進め方の公平感、組織魅力は対人面接より低く、不気味さと不透明性は高く評価されました。

この結果は、AI面接への反応が単純な肯定・否定ではなく、緊張しにくいという利点と、手続きや企業への評価に関する課題を同時に含むことを示しています。

AI面接への反応は、応募者の個人特性によって異なった

就活自己効力感が低い人ほど、AI面接では対人面接よりも相対的に不安が低くなっていました。

また、状況や相手に応じて自己呈示を調整するセルフモニタリングが高い人ほど、AI面接への納得感が対人面接より低く、不気味さや不透明性が高い傾向がみられました。

AI面接の利点と課題は、すべての応募者に同じ形で現れるわけではないことが示唆されます。

AI面接の選好には、公平感と企業魅力も関連した

希望する面接形式は、対人面接が78.1%、AI面接が10.7%、どちらでもよいが11.2%でした。

AI面接を希望しやすかったのは、対人面接と比べてAI面接で不安を感じにくい人だけではありませんでした。AI面接の進め方を公平だと感じ、面接を実施する企業への魅力が保たれている人ほど、AI面接を希望しやすくなっていました。

企業への示唆

AI面接を応募者に受け入れられる選考方法にするには、緊張を軽減するだけでは十分ではありません。

今回の結果では、AI面接を希望するかどうかに、進め方の公平感と、面接を実施する企業への魅力が関連していました。

面接は、企業が応募者を評価する場であると同時に、応募者が企業を評価する場でもあります。

AI面接の設計では、選考効率や評価の標準化だけでなく、応募者が納得して参加でき、企業への魅力が保たれる体験をつくることが重要です。

  1. 評価対象と評価基準を、応募者が理解できる言葉で示す
  2. AIの評価結果の使われ方と、人による判断との組み合わせを説明する
  3. 応募者が能力を十分に示せる機会と、企業への印象まで含めて体験を設計する

本研究は実際の面接体験ではなく、シナリオへの反応を扱ったものです。また、AIアバターとリアルタイムに会話し、発話内容のみから評価されると説明された形式を対象としているため、すべてのAI面接に同じ結果が当てはまるとは限りません。

発表情報

大会名
日本心理学会第90回大会

発表題目
採用選考における対人面接と対話型AI面接の応募者反応(1)
応募者反応比較とAI面接選好の規定要因

発表者
丹野 宏昭 主任研究員

日時
2026年9月4日 14時00分~15時40分

会場
東洋大学白山キャンパス 8号館地下1階

発表形式
一般研究発表・対面ポスター発表

#AI#プレスリリース#採用面接#内定承諾率
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