このたび、当研究所が主催するセミナーを定期開催する運びとなりました。
人や組織に関する心理学・心理臨床学・組織心理学等に関わる学術的な内容について、
専門家だけでなく、広く組織に関わる経営者や人事、労務、組織開発のご担当者様向けの内容を展開してまいります。
記念すべき第1回のセミナーは、参加無料のオンラインセミナーとなります。
組織における人との向き合い方について、深層心理的なアプローチによる解説です。
精神科臨床とケアラーの組織づくりの実践経験のある、坂井新先生にご登壇いただきます。
お申し込みは以下のURLから
https://to.leadingmark.jp/lp20240926.html?utm_content=20240926_online_thru_oprl_seminar_od
【日時】9/26(木)15:00-16:30
【演題】人的資本経営に潜む“幽霊”の心理臨床学 〜 組織がコントロールできないモノとどう向き合うか〜
【概要(登壇者よりメッセージ)】
私は精神科診療所の副院長や心理臨床の会社代表として、組織運営と心理支援に携わるキャリアを歩んできました。最近、ふと病院での幽霊話が減少していることに気付きました。幽霊は、医療現場で人の心や命に関わるときに立ち現れるものであり、組織内の人材を豊かにする要素であると考えています。この視点から、組織運営の中での人材管理について新たな洞察を得ることができるのではないかと思うようになったのです。
企業の「Human Resource」という考え方は、人を資源として捉え、効率的に組織を運営する視点に基づいています。営利企業は、人をモノのように捉えることで、業務を迅速に進めることができると考えます。このアプローチは、実際には人間関係に生じる情緒や感情のようなコントロールしがたいものを切り離すことで成立しています。しかし、人と人との関わりの中で感情や情緒を持ちながら生きるからこそ“人間“なのです。そのため、組織運営において効率性を重視するだけでは、しばしば人間関係の複雑さに足を引っ張られ先に進めないことが生じるのです。経営者や人事担当者は、合理的な判断をしても、結果的に感情の影響を受けてしまうことが多く、そのことが組織内の課題を、さらに生み出す要因となります。
組織内の人間関係の綾を見通し、その複雑さに対応することが、結果的に組織での人材の活躍を支える要素となります。組織の中で生き延びることが出来ない人材は、辞職やメンタルヘルスの問題に追い込まれる可能性があります。有能な人材こそ人間関係の綾に悩んでいたりするものです。そのような人材をモノのように切り捨てることは簡単です。しかしそれでは経年劣化する金属のように、組織全体はボトムダウンしていきます。
経営者は、人材をどのように活用し、またどのようにケアするかが問われています。ここに、私が組織の中で体験してきた”幽霊”という実体やメタファーを重ね合わせることで、新しい理解の視点を提供できると考えています。
当日のセミナーでは、メタファーとして、実体としての“幽霊”とは何かを、私の臨床経験からお伝えし、皆さんの組織における自分も含めたHuman Resourseとしての社員と、どのように関わるのか、効率性や合理性を極めるためには、逆説的な非合理な“幽霊“の視点を導入することによって何が見えてくるのか、皆さんの今後の指針になるようなセミナーを行いたいと思います。
【登壇者の紹介】
メイン講師:坂井 新(さかい あらた)
臨床心理士・公認心理師、とじまクリニック副院長、(株)epifunny company代表取締役
京都大学大学院教育学研究科 博士後期課程(研究指導認定退学)。児童養護施設生駒学園、兵庫県精神科救急窓口、兵庫県災害復興総合センター、(医)北斗会さわ病院、(医)遊心会にじクリニック副院長、京都大学・相愛大学非常勤講師などを経て、現職。
主に子どもや精神疾患、精神保健福祉、災害支援などの分野から、幅広く専門的な心理支援(心理療法や心理アセスメント等)を実践し、現場での後進の指導教育や、精神医療、精神保健福祉の組織マネジメントに携わる。
著書:『ライフステージを臨床的に理解する心理アセスメント(共著)』(2020年、金子書房),『精神分析臨床での失敗から学ぶーその実践プロセスと中断ケースの検討(共著)』(2021年、金剛出版)など。
司会・話題提供:佐藤 映(さとう うつる)
臨床心理士・公認心理師、株式会社リーディングマーク 組織心理研究所 所長
京都大学大学院教育学研究科 博士後期課程(研究指導認定退学)。スクールカウンセラー、学生相談室、精神科クリニック等の現場経験と、京都文教大学臨床心理学部講師、関西学院大学非常勤講師等を経て、現職。
現在は産業領域における採用・人事労務・組織開発の分野で、アセスメントツールの開発とその適切な活用の促進、および従業員支援や管理職コンサルテーションを実践する。
論文・発表:『人格特性と身体動作表現の関連についての検討 : Jungのタイプ論を軸として, 心理臨床学研究, 38(6), pp.493-505. 2021年』『性格検査とパルスサーベイを活用した面談の質向上の試み-派遣従業員のキャリアサポートへのコンサルテーションを通して-, 日本キャリア・カウンセリング学会第28回大会 口頭発表. 2023年11月』
再掲となりますが、お申し込みは以下のURLからご登録ください。
https://to.leadingmark.jp/lp20240926.html?utm_content=20240926_online_thru_oprl_seminar_od
多くの方のお申し込みをお待ちしております。奮ってご参加ください。
よろしくお願いいたします。